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2024/11/30

覚書;Windows10をWindows11へアップグレードできない場合

 一 要点

Windows11は、TPM2.0等のインストール要件を満たさないパソコンでも、コマンドラインで product serverオプションをつけて実行すればインストール可能。

二 背景

Windows11はインストール要件が厳しく、CPUのスペック、TPM(トラステッド プラットフォーム モジュール) 2.0、Secure Boot(セキュアブート)などがネックになって、Windows10からWindows11へアップグレードすることができない場合がある。

三 方法

Windows11の厳しいインストール要件を回避する方法は、ネット上に複数出回っている。試した結果、最も簡単と思われるのは、コマンドプロンプト(CMD)を使う方法である。

四 注意

この方法はマイクロソフトが推奨しているわけではなく、「マイクロソフトとして、現在、そのような迂回方法を大目に見ている」と言うのが正しいだろう。インストール要件を満たさない以上、Windows11にアップグレードできたとしても、将来的にどういう不具合が出るかわからず、ウィンドウズアップデートで重要な更新ができなかったり、セキュリティ上深刻な脆弱性を招来したりする可能性がある。この方法を試す場合、それらのリスクを承知の上、自己責任の下行わなければならない。

この方法は本日(2024年11月30日)時点で可能であるが、マイクロソフトが将来的に、この方法によるインストールを不可能にする可能性はもちろんある。

※実際、下記の通りマイクロソフトがすでに対策に乗り出したとの情報もある。

 記

 「Windows 11で最も簡単なTPM 2.0回避策が修正される。他も修正されていく可能性」 (2024/08/20)  https://gazlog.jp/entry/windows11-tpm2-bypass-block/

 「Windows 11へのアップグレード要件チェック回避を無効化か、Microsoft」 (2024/08/21)  https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240821-3008875/

 

五 具体的な操作方法

1.マイクロソフト公式サイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11)へアクセス。

2.「x64 デバイス用 Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」からISOイメージをダウンロード。

3.ダウンロードされたISOイメージを右クリックして、メニュー一番上の「マウント」を選択する。

※メニューに「マウント」が表示されない場合は、「プログラムから開く」から「エクスプローラー」を選択する。

4.ツールバーの検索ボックスに「PC」と入力し、その「PC」を開き、上記「マウント」によって作られたドライブに割り当てられて記号(例:Eドライブ)を確認する。

※DVDドライブのないパソコンには仮想ドライブが作られ、その仮想ドライブにドライブ記号が割り当てられる。

5.ツールバーの検索ボックスに「CMD」と入力し、コマンドプロンプトを開く(コマンドプロンプトを管理者として実行する)。

6.コマンドプロンプトにおいて、上記4.で割り当てられたドライブ記号を入力する。例えば、割り当てられたドライブ記号が(E)ドライブなら、「E:」(: はコロン)と入力しエンターキーを押す。

7.Eドライブに入ったら、次に「setup /product server」(setup スペース スラッシュ   product server)と入力しエンターキーを押す。これでWindows11のインストールが始まる。

※これは要するに「EドライブのWindows11インストールプログラムをサーバー用として実行せよ」という命令である。サーバーへのWindows11インストールは、要件(CPUのスペック、TPM2.0、Secure Bootなど)が緩和されており、それらの要件を満たさないパソコンでもサーバー用としてならインストールが可能となる。なお、この方法でインストールされるWindows11は、あくまでパソコン用であり、サーバー用ではない。


六 その他

1.Windows10は、2025 年 10 月 14 日にサポート終了となる。

※マイクロソフトの告知ページ; https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/windows/eos 

2.自分のパソコンがWindows11のインストール要件を満たすかどうかは、PC 正常性チェック アプリで確認することができる。

https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11#pchealthcheck の中の「PC正常性チェックアプリをダウンロードする」からダウンロードすることができる。

3.大手通販サイトで売られているWindows11の中古パソコンには、「Windows11の公式要件を満たす」と明記されている製品もあれば、そうでない製品もある。

明記されていない製品の中には、Windows11のインストール要件を満たさないWindows10機を上記方法によりWindows11にアップグレードし、それをWindows11機として販売するケースもあるかもしれない。

そういうパソコンは購入後、上記2.PC 正常性チェック アプリで確認すると、「Windows11のインストール要件を満たさない」と表示されるはずである。

「Windows11の公式要件を満たす」と明記されていない製品は、購入前に販売者に問い合わせて「Windows11の公式インストール要件を満たした製品かどうか」を確認するべきである。

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